世界五大クオリティペーパーの一つと言われるLe Monde(ル・モンド)紙。
その社説(éditoriaux)の洗練された鋭い分析には定評があり、政治、経済、社会、そしてフランス、ヨーロッパを含む地域・国際情勢など幅広い分野をカバーしており、興味は尽きません。
このコラムでは、毎回、Web版Le Mondeの社説から記事をピックアップし、当協会講師である、西口先生による簡単な解説を載せていきます。
社説を読み解くのは確かに難しいですが、少しの解説が理解の手助けになるはずです。
フランスで起こっていること、話題になっていること、さまざまなテーマに触れ、いろいろな角度から、フランスの今をとらえてみたいと思います。
ニジェールといえば、1970年アマニ・ディオリ大統領が、セネガルのレオポール・セダール・サンゴール大統領らとともにフランコフォニー国際機関の前身、文化技術協力機構を首都ニアメで設立したフランコフォニーとは切り離せない国。それだけにフランスも長年に渡り、支援を続けてきたが、本社説では、今回のクーデターを機に「西側諸国はこの地域での相次ぐ失敗の原因を反省すべきである。関係国民の生活水準を十分に考慮することなく安全保障を優先してきたことが、その限界を露呈したのである」と警鐘を鳴らしている。