世界五大クオリティペーパーの一つと言われるLe Monde(ル・モンド)紙。
その社説(éditoriaux)の洗練された鋭い分析には定評があり、政治、経済、社会、そしてフランス、ヨーロッパを含む地域・国際情勢など幅広い分野をカバーしており、興味は尽きません。
このコラムでは、毎回、Web版Le Mondeの社説から記事をピックアップし、当協会講師である、西口先生による簡単な解説を載せていきます。
社説を読み解くのは確かに難しいですが、少しの解説が理解の手助けになるはずです。
フランスで起こっていること、話題になっていること、さまざまなテーマに触れ、いろいろな角度から、フランスの今をとらえてみたいと思います。
8月30日に開催されたサンドニ会議は、エマニュエル・マクロン大統領が、各党党首を招き、非公開で12時間も続いた。会場入口で携帯は没収され、側近の帯同も許されない、参加は本人のみ、マスコミも排除と、腹蔵のない議論を目指し開催された。開催前日には、夕食をボイコットするやしないやの騒ぎもあったが、蓋を開けてみれば、全員、最後まで留まり、会議が終わったのは翌日の午前3時過ぎ。前代未聞の会議だ。野党の反対をもろともせず、強硬路線を突っ走ってきた大統領が、ついにその党首らに手を差し伸べたというギャップは大きい。彼らがこのチャンスをものにするか否かが会合の成否のカギを握ると締めくくられている。