
世界五大クオリティペーパーの一つと言われるLe Monde(ル・モンド)紙。
その社説(éditoriaux)の洗練された鋭い分析には定評があり、政治、経済、社会、そしてフランス、ヨーロッパを含む地域・国際情勢など幅広い分野をカバーしており、興味は尽きません。
このコラムでは、毎回、Web版Le Mondeの社説から記事をピックアップし、当協会講師である、西口先生による簡単な解説を載せていきます。
社説を読み解くのは確かに難しいですが、少しの解説が理解の手助けになるはずです。
フランスで起こっていること、話題になっていること、さまざまなテーマに触れ、いろいろな角度から、フランスの今をとらえてみたいと思います。
8月11日付けの社説では、西洋諸国が西アフリカに対する政策を根本的に見直さなければならないと論じられた。さらに8月30日ガボンで発生したクーデターの翌日の社説では、軍事的に撤退し、厳格な中立の立場を採らなければ、カメルーン、コンゴ(共和国)、トーゴでもクーデターのリスクがあると論じられた。ここにきてフランスのとるべき方向性について、「安定の要因として考えられてきた軍事プレゼンスが、不安の要因になってはいないだろうか。わが国とアフリカ大陸との関係の実態は多面的である(プロジェクト資金援助、人道支援、移民、文化など)にも拘わらず、フランスの影響力がほとんど軍事的側面だけに現れるのは健全ではない。」と締めくくっている。