世界五大クオリティペーパーの一つと言われるLe Monde(ル・モンド)紙。
その社説(éditoriaux)の洗練された鋭い分析には定評があり、政治、経済、社会、そしてフランス、ヨーロッパを含む地域・国際情勢など幅広い分野をカバーしており、興味は尽きません。
このコラムでは、毎回、Web版Le Mondeの社説から記事をピックアップし、当協会講師である、西口先生による簡単な解説を載せていきます。
社説を読み解くのは確かに難しいですが、少しの解説が理解の手助けになるはずです。
フランスで起こっていること、話題になっていること、さまざまなテーマに触れ、いろいろな角度から、フランスの今をとらえてみたいと思います。
2004年3月に制定された「公立学校では生徒がどの宗教を信じているかをあからさまに示すような装飾や衣服の着用」を禁止するという法律に抵触すると理由でアバヤの着用を禁止したことを発端に、ライシテの問題が再び、公論の中心になったことを論じている。元々、ライシテの問題は、カトリックを対象としていたが、1989年を境に対象はイスラムに変わった。ルモンド紙の他の記事では、アバヤの問題はこの法律ではグレーゾンだという指摘もある中、同法を盾に禁止したことが混乱の原因なのか。最終パラグラフは、何とも難解な文章であるが、矛盾点も指摘されている。