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世界五大クオリティペーパーの一つと言われるLe Monde(ル・モンド)紙。
その社説(éditoriaux)の洗練された鋭い分析には定評があり、政治、経済、社会、そしてフランス、ヨーロッパを含む地域・国際情勢など幅広い分野をカバーしており、興味は尽きません。
このコラムでは、毎回、Web版Le Mondeの社説から記事をピックアップし、当協会講師である、西口先生による簡単な解説を載せていきます。
社説を読み解くのは確かに難しいですが、少しの解説が理解の手助けになるはずです。
フランスで起こっていること、話題になっていること、さまざまなテーマに触れ、いろいろな角度から、フランスの今をとらえてみたいと思います。
2023年5月20日 社説概要
教育現場での社会的多様性を進めるためには、私立学校を巻き込むことが、重要だと考えていた教育大臣。ふたを開けてみれば、私立学校への要求はなりをひそめ、多様性の推進も道半ば。
背景の知識がないとなかなか手強い社説である。私立と公立への対応の違いが、記されているが、フフランスでは、カトリック系の私立学校が教育への政教分離政策導入の際、存続させるかわりに、国と協定を結んで統一したカリキュラムを使用、教員の給与も国が負担という日本とは異なっている。政権内の右派は、教育の自由にこだわり、左派は機会均等にこだわっているという状況の中で、社会的多様性の分野の専門家である教育大臣の勇み足という感もぬぐえない。