世界五大クオリティペーパーの一つと言われるLe Monde(ル・モンド)紙。
その社説(éditoriaux)の洗練された鋭い分析には定評があり、政治、経済、社会、そしてフランス、ヨーロッパを含む地域・国際情勢など幅広い分野をカバーしており、興味は尽きません。
このコラムでは、毎回、Web版Le Mondeの社説から記事をピックアップし、当協会講師である、西口先生による簡単な解説を載せていきます。
社説を読み解くのは確かに難しいですが、少しの解説が理解の手助けになるはずです。
フランスで起こっていること、話題になっていること、さまざまなテーマに触れ、いろいろな角度から、フランスの今をとらえてみたいと思います。
フランスが、植民地政策をとっていた時代に犯した過ちを償うのに必要な措置を実施する法的枠組みが成立したという内容。植民地先から持ち帰り、博物館で展示されている原住民の遺骨や現地からフランスに強制連行した後、見せ物にし、死に至らしめた原住民の遺骨は、博物館の所蔵物として長らく忘れさられていたが、今回の進展により本国に返還する道が開かれたことを歓迎している。返還そのものは、過去にも実施されたことがあるので、今回の動きの行く末を見守りたい。