世界五大クオリティペーパーの一つと言われるLe Monde(ル・モンド)紙。
その社説(éditoriaux)の洗練された鋭い分析には定評があり、政治、経済、社会、そしてフランス、ヨーロッパを含む地域・国際情勢など幅広い分野をカバーしており、興味は尽きません。
このコラムでは、毎回、Web版Le Mondeの社説から記事をピックアップし、当協会講師である、西口先生による簡単な解説を載せていきます。
社説を読み解くのは確かに難しいですが、少しの解説が理解の手助けになるはずです。
フランスで起こっていること、話題になっていること、さまざまなテーマに触れ、いろいろな角度から、フランスの今をとらえてみたいと思います。
社説は、社としての言説なので通常は無記名であるが、今回は、例外。Jérôme Fenoglio編集長がいつもの約3倍の紙面を割いて渾身の力を込めて書き下ろしたものだ。内容は、迫りくる気候変動の脅威に政府の取り組みは十分であろうか?コロナに際しては、« quoi qu’il en coûte »なりふり構わず予算を投じたのに気候変動には?というもの。100名を超えるル・モンド紙の記者をフランス国内各地、スペイン、イタリアなどに派遣し、熱帯化、砂漠化の現状を取材させるなど社をあげて取り組んだ内容となっている。日本語では、貴重なものを表すのに「~のダイヤモンド」という表現が使われるが、フランス語では「~のゴールド」(or blanc, or bleu, or vert, or noir)が使われる。本稿で登場するor blancは?